■水あげの方法 |
- 植物の花や葉がしおれて来るのは発散する水の量に対して吸水する水の量が少ないからです。
- ですから発散を少しでも防ぎ吸水しやすくしてやればよいわけです。その吸水しやすくしてやるのが水あげです。
- 水あげの方法は植物により使い分けますがほとんどの植物が水切りにより水あげができます。
- また、水あげする前には、根元の方の葉や無駄な葉は取り除いておきます。
|
1.水切り |
- 根元の茎を水に入れて、先端から2〜3cmのところを水中で切ります。
- 水中で切るのは、茎の中に空気が入るのを防ぐためと水圧で水あげの効果を高めるためです。
- このとき切り口の断面を広く斜めに切ることと器の水量が多いほどより効果的です。
- ほとんどの植物が水切りにより水あげができます。
|
2.湯あげ |
- 切り口から出る有機物質が、バクテリアを繁殖させ、花を腐らせる原因になります。
- そこで、切り口を煮沸して消毒し、強度の刺激を与え瞬時に吸水させるのが湯あげ法です。
- 水切りしてから、植物の上の方を紙でくるんで先端3〜4cmほどを煮立ったお湯に15秒ほど
- 入れ、そのあと冷水で冷やします。ストック、マーガレット、シャクヤクなどに有効です。
|
3.焼く |
- 植物を焼くのは、バクテリアの繁殖を防ぐことと炭化させて吸水しやすくすることが目的です。
- 乾燥しないように、植物の上の方を紙でくるみ、これを水に濡らしてから、根元の茎の先端
- 2〜3cmを焼きます。炭のように黒くなったら、冷水に一気に冷やします。
- アジサイ、ダリア、クチナシ、バラなどに有効です。
|
4.折る |
- 茎がビッシと折れるものは先端から3〜4cmのところを手で折ります。
- 水の中で折るとより効果的に水があがります。キクなどに有効です。
|
5.割る |
- 茎が堅い枝物などは根元を十文字などに縦割りを入れます。
|
6.砕く |
- 茎が堅くて、水を吸い上げにくい植物では、断面積を広くするためにハンマーで茎先を砕きます。
- あまり強く砕きすぎないようにし、このあと水につけます。
- オミナエシ、カスミソウ、キキョウ、枝物などに有効です。
|
7.逆さ水 |
- 葉に水をかけ、水分の蒸発を防いで水あげを促すのが逆さ水。
- 植物を逆さに持ち、葉の裏に水をかけます。
- アジサイ、クチナシなどに適していますが、花弁の薄い植物は避けて下さい。
|
8.深水 |
- 野草類などの水あげが悪い植物では、水切りしたあと、たっぷりの水にひたし、深水します。
- 花が垂れてしまっているバラなどでも、濡れた紙で植物全体をくるんで、深水すると元気になります。
|
9.水あげポンプで注入 |
- 茎の切り口から水あげポンプで水を注入する方法です。
- スイレン、ハス、コウホネなどの水生植物に有効です。
|
10.薬品法 |
- 水あげ後、切り花延命剤を入れるとバクテリアの繁殖を防ぎ、水を吸いあげやすくし、栄養補給もしてくれます。
- 花瓶の水に溶かすだけで、花持ちがよくなり、また、水替えの必要もありません。
- 延命剤以外でも、酢、アルコール、ミョウバン、砂糖、洗剤などが有効なものもあります。
|
11.その他(ブルースターなど) |
- ブルースターなどは茎を切ると白い樹液がでます。この樹液が水揚げを阻害します。
- この場合の水あげは、切り戻した後、10%の食塩水の中に樹液が出なくなるまで洗います(10〜15秒位)。
- 樹液がでなくなれば、あとは水で切り口を流しながら、かるくブラシなどで4〜5回こすります。
- その後、水に入れます。
|